4-3.ハッピーハロウィン!―後編―

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「はぁ〜。凄く(ぶっ)疲れたんじゃけどぉぉぉ。ホンマ子供の体力半端ないわぁ……」  帰りの車中。  盛大な吐息とともに弱音を吐く実篤(さねあつ)を、くるみがクスッと笑って「お疲れ様でした」と(ねぎら)う。 「それ(ほい)でもうち、今日の実篤(さねあつ)さん見ちょって思いました」  ほぅっと、どこかうっとりした吐息を落としたくるみに、実篤(さねあつ)はハンドルを握ったままチラリと視線を流す。  夜の岩国は車が本当に少ない。  週末――土曜――の夜だというのに、市内では〝繁華街〟という位置付けになるであろうJR山陽本線岩国駅付近の商店街でさえも人影がまばらで。  まぁ飲み屋街は国道沿いから一本中に入った辺りにあるので、一八八号線沿いを走っていてもそんなに人がいないのは仕方ないのかもしれないけれど。  それにしたって対向車ともほとんどすれ違わないとかどうなんよ?と思ってしまった実篤(さねあつ)だ。  実篤(さねあつ)の不動産屋事務所がある麻里布町(まりふまち)の辺りは片側二車線の、割と交通量が多いことを想定された広めの道路だ。  けれどそこにしたって二三時(じゅういちじ)近い今は車の往来がほぼ途絶えてしまっているとか、ゴーストタウンかよ、と思いたくなる。
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