4-3.ハッピーハロウィン!―後編―

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 不動産業を営んでいると、それなりに若いお客さんも来店するのだが、そのたびに実篤(さねあつ)は思うのだ。 (みんな、普段はどこに隠れちょるん?)  と。  そんななので誰かの後続車両になっているわけでもなし。チラチラとくるみの顔を気にしてしまえる実篤(さねあつ)だ。 「実篤(さねあつ)さんは絶対良い(ええ)お父さんになられます(なっちゃってです)!」  言った瞬間フワッとくるみの頬に(しゅ)が差したように見えたのは気のせいだろうか。  二人っきりの車内。  こんなことを言われたら、図々しくもくるみちゃんとの〝結婚〟を意識してしまうじゃないか、とドキドキソワソワの実篤(さねあつ)だ。 「――と、年の離れた弟と妹がおったけん、そう見えただけじゃと思う、……よ?」  何だか恥ずかしくて。  ただ一言「有難う」と返すことも出来なかった結果、しどろもどろな上に可愛げのない物言いになってしまった。 「それ(ほい)でも、ですっ!」  そんな実篤(さねあつ)に、フンッと鼻息も荒く力説してくれるくるみに、実篤(さねあつ)、「くるみちゃんも良い(ええ)お母さんになりそうなじゃったよ?」と照れまくりながらつぶやいた。
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