4-3.ハッピーハロウィン!―後編―

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*** 「こんだけ車が少なけりゃあはぐれることもないと思うけど一応……」  実篤(さねあつ)はくるみの車の運転席に中途半端に腰掛けて、ドアを開けたままオーディオ一体型のカーナビに自分の家の住所を登録すると、行き先指定して車外のくるみを振り返った。 「――っ!」  てっきり運転席そばに立っているとばかり思っていたくるみが、身を乗り出すようにして車の中を覗いていて、その近さに驚いてあやうく悲鳴を上げそうになってしまった実篤(さねあつ)だ。 (くっ、唇が当たるかと思うたっ!)  事故みたいに彼女とのファーストキスが終わってしまうのだけは避けたい!と本気で思ってしまってから、「乙女か!」と自分で自分の思考回路にツッコミを入れる。  そんな実篤(さねあつ)をキョトンと見つめて来るくるみの視線に気付いた彼は、慌てて言葉を紡いだ。 「……もっ、もしも信号とかで俺の車とはぐれたりしたら、こっ、コレを頼りに走ってきてくれる?」  聞いたら、「はぐれんように気に掛けてくれんのん?」と拗ねたみたいに唇をとがらせてくるとか。  可愛すぎて「小悪魔め!」と思わずにはいられない。
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