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(ヤバイ、ヤバイ、ヤバイ……。俺、とうとうくるみちゃんを家に連れ込んでしもぉーたっ!)
頭の中がぐるぐるで、ちょっとだけひとり静かに情報を整理したいと思った実篤だ。
実篤だっていい歳をした大人の男だ。
今まで彼女と呼べる存在を、この家に連れてきたことがなかったわけではない。
ないけれど――。
(いっ、いままではみんながおったんじゃったぁー!)
そう。過去のアレもコレも、両親はおろか弟も妹も、みんなこの家に住んでいるころだった。
こんな風にみんな家を出てしまって、実篤のひとり住まいになってからは初体験。
しかも歴代の彼女は年上ばかりで、くるみのように年の離れた若い女の子はいなかったから。
いつも実篤がパニクっていても相手が優しくリードしてくれた。
でも、今回は確実に自分がリードすべきだと思う。
年の差から考えても絶対そうあるべきだと思うのだ。
(それは分かっちょるんじゃけどぉぉぉ)
正直、童貞中学生男子も顔負けなくらいテンパっていたりする。
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