4-3.ハッピーハロウィン!―後編―

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実篤(さねあつ)さん、何でうちの方、見てくれんのん? 気に入らん?」  不安そうに眉根を寄せるくるみに、別に連動しているわけではなかろうに、ウサ耳カチューシャがシュンと項垂(うなだ)れてしまったような錯覚を覚えた実篤(さねあつ)だ。 「い、いやっ。めちゃくちゃ(ぶちくそ)可愛い、です。かっ、可愛すぎて目のやり場に困っちょる、だけ、です」 「もぉ、実篤(さねあつ)さんってば、何で敬語になっちょるん?」  クスクス笑って、くるみが実篤(さねあつ)のモフモフの手をギュッと握り締めてくる。  そこで不意に真剣な顔になると、実篤(さねあつ)の手を握る手指に力を込めてきた。
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