4-3.ハッピーハロウィン!―後編―

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***  一瞬、くるみが何を言ったのか理解できなかった実篤(さねあつ)だ。 「え……?」  思わず間抜けな声を出したら、くるみが泣きそうな顔をして実篤(さねあつ)を見上げてきた。 「実篤(さねあつ)さん、うち、手ぇ出すの躊躇(ためろ)ぉーてしまうほど魅力ない? 付き合い始めて一ヶ月以上……キスもしてくれんのんはうちが子供っぽい所為(せぇ)なん?」  畳み掛けるように言いながら、実篤(さねあつ)の手をぎゅっと握ったくるみの手が小さく震えているのを感じて、実篤(さねあつ)はハッとした。  暖房を付けた応接室と違って廊下は寒い。  だけど、くるみのこの震えはきっとそれだけじゃないはずだ。 「お願いじゃけ……イヤって言わないで(んちょいて)? うちを拒まんといて?」  実篤(さねあつ)はくるみに握られた手をかわして、逆にもふもふの手で包み込むように挟みこんでから、くるみの顔をじっと見つめる。 「くるみちゃん、俺……! ホンマごめんっ!」
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