4-3.ハッピーハロウィン!―後編―

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 そうして一言謝ると、実篤(さねあつ)からの謝罪を拒絶と受け取って表情を一気に曇らせたくるみを、「そうじゃないけぇ」と言う気持ちを込めてギュッと腕の中に抱き寄せた。 「俺、もう(はぁ)年が離れちょるとか何とか……くだらん負い目は全部捨てる」  低く押し殺した声音でそうつぶやくと、実篤(さねあつ)は何の前触れもなく腕の中のくるみを横抱きに抱き上げる。 「実篤(さねあつ)さんっ!?」  突然お姫様抱っこをされてびっくりしたくるみが、実篤(さねあつ)にギュッとしがみついてきて。  それが、実篤(さねあつ)の鼓動をどんどん早くした。 「これからは俺、くるみちゃんに触れるん、一切我慢せんけぇ。――覚悟して?」 (女の子にここまで言わせて何もせんとか……男がすたるじゃろ!)  いくら自分がヘタレワンコでも、そのぐらいは分かる。 (俺を狼男に化けさせたのじゃって、くるみちゃんなりの必死のアピールじゃったんじゃろ?)  ずっと、くるみとの年の差に(ひる)んでキスさえままならなかった実篤(さねあつ)だけど、キスはもちろん、その先だってずっとずっとしたいと思っていた。  欲望を理性で抑え付けるようにして、年の離れたくるみを傷付けないよう、真綿にくるむような付き合い方をしてきた実篤(さねあつ)だったけれど。  それが逆にくるみを傷付けていたんだと思い至った。
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