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くるみがシャワーから出てきて、入れ替わるように浴室に入った実篤だったけれど。
(ヤバッ! 俺、彼シャツの威力、侮っちょったわぁ〜)
くるみは実篤が用意した服の中から、一番丈が長い黒のトレーナーを選んでいた。
「お先です」
ペコッと他人行儀に会釈して。恥ずかしそうに視線を逸らして頭を下げたくるみからふわりとフルーティーなボディーソープの香りが漂う。
実篤は思わずそんなくるみの後ろ姿に見惚れてしまったのだ。
(うちの石鹸、あんな良いにおいせんけん、くるみちゃん、家から持って来ちょったんかな)
そう思い至って、(最初から泊まる気でおってくれたんかな?)とまでは気付いた実篤だったけれど。
彼シャツを拝借するのがくるみの策略だとは気が付けない残念なところもあったりする。
実篤が着てもお尻が半ばまで隠れるトレーナーは、くるみが着ると膝上あたりまであるミニスカートみたいになっていて。
何て言うか、とにかく!
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