5-1.オオカミとウサギさん*

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「えっと……凄く(ぶち)くだらんことなんじゃけど……その、うち、もう一回バニーちゃん着ちょった方がええですか? それとも――」 「いっ、今のままでお願いします!!」  実篤(さねあつ)は、くるみの言葉を(さえぎ)るように思わず力説してしまっていた。 「えっ?」  あまりに前のめりになってしまったからだろうか。  くるみが外から驚いた声を出したのが聞こえて、内心(やっちまった!)と思った実篤(さねあつ)だ。  だが、済んだこと。ジタバタするだけ無駄だと開き直ることにした。 「お、俺っ、くるみちゃんが俺の服着てくれちょるん、すげぇ良いって思うたんよ。だから(ほいじゃけ)、そのままでおってもらえたら滅茶苦茶(ぶちくそ)嬉しいです」  嘘偽らざる本音を述べて、くるみに「わかりました」と納得してもらった。
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