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「えっと……くるみちゃん、ひょっとして……いや、ひょっとせんでも……酒飲んだん?」
(一人で二缶も!)
などと心の中で付け加えつつ。
スリスリと実篤の胸元に額を擦り付けて甘えてくるくるみをそっと抱きしめながら問いかけたら、
「だって実篤しゃ、お風呂から全然上がって来んのんじゃもん。一人で待っちょったら緊張しれきらんじゃけ、仕方ないじゃろ?」
呂律の回らない口調でぷぅっと唇を突き出すくるみをあやすように、実篤は「うん、うん」と相槌を打った。
くるみはそんな実篤を、酔いで潤んだ大きな目で見上げながら思いの丈をぶつけてくる。
「喉も乾いちょっらし丁度ええかなぁって一缶目開けたらわけわからんなったんよ。温ぅ〜てあんまし美味しゅうなかったぁ〜」
(いや、温くて美味しゅーないって感じた時点で二缶目にいくのやめませんかね、くるみちゃん!)
などと思った実篤だったけれど、何せ腕の中のくるみがふにゅふにゅして可愛くてそれどころではない。
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