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くるみをベッドに下ろすと、性急過ぎたのか、マットのスプリングがギシギシと音を立てて弾んで、くるみの身体を揺さぶるように翻弄して。
その振動に、くるみが「やんっ!」と悲鳴を上げた。
その声ごと食べるみたいに唇を塞いだら、驚いたようにくるみが瞳を見開いたのが分かった。
「さね――」
あつさん、まで言わせない。
と言うより言わせてやれるゆとりがない。
「あ、待っ、ぁんっ、……んんっ」
くるみが一生懸命実篤に縋り付くようにして、彼の性急さに歯止めをかけようとするけれど、それすら実篤を焚き付ける燃料にしかならない。
目の前にご馳走をぶらさげられたまま、「待て」をさせられ過ぎた〝ヘタレ忠犬〟は、今や〝猪突猛進な狂犬〟だ。
酒で熱くなったくるみの唇を割り開くようにして侵入した実篤の舌は、彼女の歯列をなぞり、口中を探り、舌を絡めては吸い上げる。
そんな激しい口付けに付いていくのが精一杯で、どこでどう息継ぎをしたらいいのか分からないくるみは、涙目で懸命に実篤にしがみつくのが関の山。
そんなくるみの胸をTシャツごとムニュッと鷲掴むと、実篤は中心の敏感なところをわざと外して、フワフワな感触を楽しむようにやんわりと揉みしだいた。
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