5-2. 桃色狼とほろ酔い兎*

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 そんなアレコレを心の奥底にひた隠しにして、表面的にはいたってシリアスにくるみにそう宣言した実篤(さねあつ)は、(はや)る気持ちを抑えながら彼女の服の(すそ)に手をかけた。 「はい、ばんざーい」  実篤がほんの少しくるみの身体をベッドから抱き上げるようにしてダメ元でそう声をかけたら、酔っ払ったくるみは「ばんじゃーい」と諸手(もろて)を挙げて素直に従ってくれて。 (酒の力、すごいな)  などと感心してしまった実篤だ。  幸い首回りもゆとりがあったので、頭も難なく抜けて。 「――っ!」  スポッと服を脱がした途端現れた、くるみのあられもない姿に実篤は思わずフリーズしてしまう。  彼シャツ状態のくるみは、上を剥ぎ取ってみたら、レースのショーツ一枚を身に付けただけの、何とも無防備な格好になっていたから。 (ブラ、しちょらんかったっ!)  服の上から触れた感じでそんな気はしていたけれど、実際こうして()のあたりにすると、やけに照れてしまうのは何故だろう。 (ヤバッ。めちゃ綺麗なんじゃけどっ!)  服の上からでもフワフワな膨らみの存在は感じていたけれど、こうして布地を取り払って直にくるみの胸をしげしげと眺めると、色白できめ細かい双丘がたまらなく扇状的(せんじょうてき)で。
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