5-2. 桃色狼とほろ酔い兎*

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 どこかズレているけれど、どう見ても初心(うぶ)にしか見えない言動に、もしかしたら身内以外の男の身体なんて見たことがないんじゃろうか、と思った実篤(さねあつ)だ。  男兄弟なんかがいれば、若い男の裸にも免疫が出来る気がするのだが、考えてみればくるみは一人っ子。  そう言う機会にも恵まれなかったんだろう。 (うちの鏡花(きょうか)なんか小さい(こまい)頃から俺と八雲(やくも)が裸で家ん中うろつき回っちょったけん、見慣れてそうよな)  そう考えると、実篤は今更ながら妹に悪いことをした気になってしまった。 (鏡花(きょうか)、デリカシー皆無じゃった兄ちゃんたちを許せっ)  やはり女の子は、せめてその彼氏との初めてのエッチの時くらい、〝おぼこい〟くらいがきっと相手に喜ばれるだろう。  まぁ要するに (凄い(ぶっ)可愛い反応、有難うございますっ!)  と手を合わせたくなった実篤だ。
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