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「ね。くるみちゃん。それでね、出来れば俺に触れて欲しいんじゃけど?」
――この小さな手で。
言いながらくるみが顔に乗せたままの手にそっと触れると、実篤は自分に触れさせることの代価ででもあるかのように、そのまま手をスーッと下ろしていってくるみの胸に触れた。
「ひゃ、ぁっ?」
なまじ視界を狭めていたからだろう。
研ぎ澄まされた触覚に、実篤からの突然のタッチは刺激が強過ぎたみたいだ。
ビクッと身体を震わせたくるみが、たまらないみたいに実篤の手を掴んできた。
それで、結果的にくるみの顔が見えるようになって、実篤的には大満足だ。
何より、くるみにちょっと触れられたぐらいで、手の動きを止めるつもりなんて最初からない。
「くるみちゃんの胸、凄くやわらかいよね? 俺がちょっと触っただけでいやらしく手のひらに吸い付いてくるんじゃけど」
「やぁっ、しょんなこと言わんでっ」
フニッと、柔らかなくるみの胸を押しつぶすように手のひら全体で握ったら、くるみが眉根を寄せて抗議してくる。
それでも彼女の抗議を無視してフニフニと胸を揉んでいたら、
「実篤しゃっ、しょれ、駄目っ」
くるみが実篤の手に触れた指先にギュッと力を込めてくる。
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