5-2. 桃色狼とほろ酔い兎*

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「お、覚えちょらん、けんっ」  ギュッと実篤(さねあつ)の手を掴んで涙目で訴えてきたくるみだったけど。 「え〜。覚えちょらんのじゃあ? ……それでも(ほいじゃけど)残念。その訴えは棄却します」  言って、実篤は下着の上からでも小さく勃ち上がっているのが分かるくるみの敏感な〝先っちょ〟を指の腹でスリスリと刺激した。 「ひゃあっんっ! ら、ダメ(らめ)ぇっ」  途端、熱い吐息混じり。  くるみが下腹部に伸ばした自分の腕を掴む手指に力を込めて悲鳴を上げたのが堪らなく愛しいと思ってしまった実篤だ。  それと同時、もっともっと彼女を苛めて、快感に泣かせてみたいと思ってしまう。  実篤は、クロッチ部をほんの少し横にずらすようにして、中指を下着の中に侵入させた。  湿り気を帯びたくるみのそこは、とても熱くて。  くるみが吐き出す〝ぬめり〟がすぐさま指先にまとわりついてきた。 「くるみちゃん、すげぇ(ぶっ)濡れとるね。ここ、もっともっと触って欲しいってトロトロになっちょるよ?」 「や、違っ……」  くるみが否定の言葉をつむぐけれど、どこが違うと言うのだろう。  谷間に沿って濡れた指を這わせれば、クチュッといやらしい音がして、簡単に実篤を肉ひだの内側に(いざな)ってしまうというのに。
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