5-2. 桃色狼とほろ酔い兎*

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 こうなる前に参考にしたサイトでは〝最後まで出来なくても〟女の子を責めない、みたいに書いてあったけれど、これはいよいよ出来ないことを覚悟しないといけないかもしれない。 (じゃけどっ)  まだ行為(こと)は始まったばかり。ちょっとずつ丁寧に(ほぐ)していけば、案外出来るかも知れないじゃないか。 (諦めるんはまだ早いよな)  何てことを実篤(さねあつ)が色々考えているなんて、必死に違和感と戦っているくるみは知るよしもない。 「ごめんね、くるみちゃん。気持ち悪いじゃろうけどもうちょっとだけ我慢して?」  くるみの足の間から彼女を見上げたら、泣きそうな顔で自分を見つめるくるみと目が合った。 (ヤバイ。俺、何かくるみちゃんに凄い(ぶち)酷いことしよる気分なんじゃけどっ)  迷いのせいで指を不用意に動かしてしまって、くるみが「んっ」と小さくつぶやいて眉根を寄せた。 「うち、実篤(さねあちゅ)しゃと最後までしたい……れしゅ。我慢しちょったら……慣れてくる?」
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