5-2. 桃色狼とほろ酔い兎*

31/46
前へ
/470ページ
次へ
 眉根を寄せて下に伸ばした自分の手をギュッと握るくるみに、実篤(さねあつ)が小声で語りかける。 「ピリピリ、は痛いわけじゃないんよね? じゃったら我慢せんと俺に身を任せて?」 「れ、れも……」  でも、が「れも」になっているくるみが可愛くてたまらない実篤だ。  それと同時、彼女が呂律(ろれつ)が回らないくらい酔ってくれているうちに最後までいけたらええな、と思って。 「痛いわけじゃないんじゃけ()、何かね、しゅごい……変、なん」  実篤が指を動かすたび、彼の下でくるみの可愛い突起が固く勃ち上がって存在を誇示してくる。 「変なんじゃなくてね、それ、気持ちええんじゃと思うよ?」  あまりダイレクトに触ると刺激が強すぎるのか、くるみが腰を引いて逃げようとするので、実篤はほんの少し掠めるようにそこへ触れる。 「あ、んっ」  途端くるみがビクッと身体を跳ねさせて、実篤の手をギュッと握った。 「実篤(しゃねあつ)しゃ、いまの……」 「ん?」  モジモジしながら実篤を見つめてくるくるみに、 「もしかしていまのが好きなん? それじゃあ(ほいじゃあ)、お願い。俺に『もっとして?』っておねだりして?」  チュッと胸にキスを落としてくるみに希望を述べてみる。  もし実現したら、実篤のモチベーションが〝ぐわっ!〟と上がること間違いなしの提案だ。
/470ページ

最初のコメントを投稿しよう!

898人が本棚に入れています
本棚に追加