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「まさかっ! 全然変じゃないけぇっ!」
というより寧ろ……。
「最っ高に有難いですっ!」
(痛がらせんで済みそうとか、凄く助かるんじゃけど!)
心の中でそう付け加えて、実篤は先程くるみの目の前で使用期限を確認した避妊具をひとつ手に取った。
何だかんだでここまで非常に長かった気がするのは気のせいじゃないはずだ。
「実篤しゃ、しょれ、付けりゅん?」
くるみが潤んだ目で手元を見つめてくるから、実篤は何だか照れ臭くて。
でも――、と思い直した。
「くるみちゃん、いまから俺がする事、ちゃんと見ちょって? 妊娠はさ、どうあっても女の子の身体に負担がかかることじゃけぇ。男任せにしちょったらいけんと俺は思うんよ」
もし、自分がくるみの色香に溺れて我を忘れて彼女を襲いそうになったとしたら、どうかくるみ本人に諌めて欲しい。
〝実篤さん、ダメ! 避妊して!〟と。
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