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「これ、裏と表があったりしゅるん?」
どっちも一緒に見えてしまったくるみだったけれど。
何の気なしにつぶやいたら、実篤が「もちろん」と答えてくるみの方へ手を伸ばしてきて。
「やんっ。取らんで?」
思わずピッと手を引っ込めたら「えっ?」と驚かれてしまう。
「うちにやらしてくれりゅって約束らったじゃないれすか」
ムムーンと口をとんがらせて言ったら、実篤が瞳を見開いた。
「えっ、いや、あれは……開封までの話じゃったんじゃないん?」
とか。
「まさかっ」
くるみはフルフルと首を横に振る。
「うちが、実篤しゃに付けてあげりゅんれす」
言ったら「嘘じゃろ」とつぶやかれて。
「嘘じゃないけん」
くるみはゴムを持った手を実篤に見せつけながらにっこり笑う。
「実篤しゃんは……うちに付け方のれくちゃあをして下しゃい。うち、その通りにやりましゅ」
「ほいじゃけどくるみちゃん……」
「男の人任しぇにしたらダメなんじゃろ?」
ウルルンとした目で見上げたら、実篤に盛大な溜め息を落とされてしまった。
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