6-4.焼けぼっくいに火はつくか?

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(しかも何で俺、ツインルームとか選んで二人分の宿泊料金(はろ)うちょるん⁉︎ 下心ありありじゃろ)  この際もう鏡花(きょうか)にはタクシー代をやって、とか思っていたりする時点でそうなのだから仕方がない。 (あ。ほら、あれよ。俺がインフルになったせいでクリスマスまともに出来んかったし? そ、その埋め合わせっちゅーことで)  いくら何でも急きょすぎるじゃろ!と自分で突っ込みつつ階数表示と睨めっこをしていたら、八階のところで一旦箱が停止して、ドアが開いた。 (あ、八階っちゅうたらくるみちゃん(らぁ)の……)  ふとそんな事を思いながらも、無意識。『開』のボタンを押した実篤(さねあつ)の目に。 「……くるみ、ちゃん?」  見慣れないスーツ姿の男に肩を抱かれて、くるみが乗り込んで来た。  実篤が、くるみの肩を抱いている男を一瞥(いちべつ)すると、男はビクッとしてくるみから少し離れて。 「実篤さっ……」  くるみが実篤の姿を認めるなり泣きそうな顔をするから。  実篤は思わず男を押し退けるようにしてくるみを腕に抱き寄せた。
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