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「お前、その口振り! さてはくるみちゃんの具合が悪うなったん、知らんのんじゃろ? 俺、今くるみちゃんと一緒におるんじゃけど……」
――お前も来い。
そう言おうと思ったら、やや食い気味に『ちょっ、今どこなん⁉︎』と鏡花が被せてきた。
実篤は鏡花のその言葉を聞いて、(さすが俺の妹)と嬉しくなって。
自分のチャンスよりも友人のピンチを優先しようとする鏡花のことが、兄として堪らなく誇らしく思えた実篤だ。
「とりあえず身支度整えてエレベーターん所に。迎えに行くけん」
何があるか分からないし、なるべくならこの部屋の所在を知られたくない。
警戒しながらそう言ったら、『はぁ? 迎えにって馬鹿なん? 弱っちょるくるみちゃんを一人にするとか有り得んじゃろ』とか。
くるみが体調不良という設定にしてしまった現状で、いちいちご尤もな説教をしてくる鏡花に、実篤は小さく吐息を落とした。
「――あー、それじゃあ、電話繋いだまま一階ロビーまで来て? くるみちゃんと待っちょるけん」
(電話を切ったら鏡花が危のぉなるかも知れんけぇな)
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