897人が本棚に入れています
本棚に追加
/470ページ
今のところはヘタレが勝利してそんなに酷いことはしなくて済んでいるけれど、たまにどこまでならくるみに許してもらえるのか試したくなる時もあって。
思ったままを口にしてくるみの首筋をチュッと音を立てて軽く吸い上げたら、それに呼応するみたいに彼女の中がキュッと締まった。
「うちも、実篤さんに愛してもらえるんが嬉しゅーて……おかしゅうなりそうな時ばっかりです」
その言動に我慢出来なくなったんだろうか。
実篤がくるみの膣内に挿入たまま――。しばし大人しく小休止させていた分身をぐわりと怒張させて、興奮している事を誇示するみたいにゆるゆると抽挿を再開する。
そんな実篤の豹変ぶりに、くるみは目端に涙をにじませて「あんっ、実篤さ、いきなり……ダメぇっ」と抗議混じりに喘いだ。
それっきり一生懸命口を引き結んで声を漏らさないよう頑張るくるみの姿に、実篤は彼女の愛らしい唇に親指の腹でそっと触れて語りかける。
「ねぇくるみ。可愛い声、我慢せんともっと聞かして?」
ここは、実篤がヘタレ心と下心との狭間で揺れながら取ったホテルの一室だ。
いわゆる、いつもとは違う常ならぬ空間。
少々羽目を外したって許されるではないか。
実篤はそう思っているのに――。
最初のコメントを投稿しよう!