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「栗野さんは……どうしてこんなに私に優しくしてくださるんですか?」
くりくりの二重まぶたのなか。ちょっぴり色素の薄い琥珀色の瞳がゆらゆらと自分を見上げてきて、実篤は思わず目の前の小柄な女の子を抱きしめたい衝動に駆られた。
(いや、マジ可愛すぎるじゃろ!)
知り合って間もないかなり年下の女の子だ。
いきなり抱き締めたりしたら、確実に怖がらせてしまう。
そもそもそんなことをしたら、さっきの不届な輩と同列になってしまうではないか。
そう思って、何とかその衝動を抑え込んだ実篤だったけれど。
この、ちっこくて子リスみたいな可愛い女の子を無条件に守ってやりたいと思ったのには、きっと彼女に一目惚れしてしまったから、以外に理由なんてない――。
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