7-1.過日吐露した必要不可欠なアレ

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 弟と妹に恋人を盗られたみたいに思ってムスくれているだなんて、絶対に言えるわけがない。  なのに――。 「そりゃー可愛い彼女を独り占め出来んとあっちゃー、モヤモヤも募るいのぉー? 実篤(さねあつ)よ」  父・連史郎(れんしろう)にぐりぐりと頭を撫でられて、実篤は(クソ親父! 要らんこと言わんでええ!)と思わずにはいられない。 「なになに~? お兄ちゃん、拗ね(はぶて)ちょるん?」  そんな両親とのやり取りに、鏡花(きょうか)がクスクス笑ってきて。  実篤は(あいつ、くるみちゃんの手ぇ離さんの、絶対確信犯じゃろ!)と苦虫を嚙みつぶした。 「まぁな、父さんも母さんを独り占め出来んで悲しいけん、実篤兄ちゃんも一緒じゃと思うぞ? コイツは顔だけじゃのぉーて考え方も一番(いっちばん)父さんに似ちょるけんのぉー」  はっはっは……と笑いながら、これまた要らんお世話な御託(ごたく)を並べる連史郎(れんしろう)を無言で睨んだら、 「やーんっ。貴方ったら♥ 照れるじゃないね」  実篤を押し退けるようにして、鈴子(すずこ)が連史郎に熱い視線を送る。
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