7-1.過日吐露した必要不可欠なアレ

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(ったく、この二人はいくつになっても……)  そう思いつつも、実はそんな両親のことがとっても(うらや)ましかったりする実篤(さねあつ)だ。 (俺もくるみちゃんとあんな(あんとな)夫婦になれたらええのぉー)  何気なくそんなことを思ってから、〝夫婦〟というパワーワードに一人でドキッとして照れてしまう。  しかし、現状、愛しいくるみは鏡花(きょうか)八雲(やくも)にガッチリ挟まれていて、近くにいるようでその実とっても遠い。 (くるみちゃぁぁぁぁん)  情けなく心の中でくるみを呼んでみたものの、声には出せないので届くわけがなかった。――のだが。  いつの間にか近くにいたはずの両親たちは手を繋いで玄関に行っていて、「おーい、みんな! ()よぉーせんと〇時(じゅうにじ)までに神社に着かれんなるで?」と連史郎(れんしろう)が声を掛けてくる。 「ほら兄ちゃん、父さん(らぁ)が呼びよーる。一人で百面相しちょらんと――行くよ?」  これまたくるみの手を握ったまま、八雲がそう声を掛けてきて、実篤は「馬鹿(バッ)。百面相なんかしちょらんわ!」と答えつつも、くるみと目が合って。  思わず俺くるみちゃんと手ぇ繋いで行きたいのに、と言う気持ちを駄々洩れにさせてしまった。
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