7-2.キミを食べてしまいたい*

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「ねぇくるみちゃん、ここのお風呂ジャグジーになっちょるんよ」  風呂場にくるみが来たついで。  せっかくなので〝イチャイチャ甘々バスタイム作戦〟実行のため、風呂場の性能について売り込みを開始した実篤(さねあつ)だ。 「ジャグジー?」  実篤に誘われるままくるみが浴室内に入って来て、お湯が溜まりつつあるバスタブ内を覗いて。 「わぁ、ホンマじゃー。うち、ジャグジー大好きなんっ♥」  と、嬉しそうに瞳をキラキラ輝かせる。  意外に好感触らしいくるみの様子に、実篤は内心ホッとして。 「それでね(ほいでね)、そこに置いてあったカゴん中に泡風呂用の入浴剤も見付けたんじゃけど」  実篤が、脱衣所に置かれたアメニティグッズの入れられた編みカゴの中からピンク色の袋を振って見せたら、くるみが嬉しそうに駆け寄って来る。 「きゃー、入浴剤でイチゴの香りとか……珍しゅうないですか?」  実篤の手から入浴剤を受け取ったくるみにキャイキャイ言われて、実篤も(そういや、フルーツなら柑橘類が多いよな)と思って。
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