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そこでふと、先日テレビ電話の先、子猫の大豆相手にデレデレだった自分によく似た強面な父親の、いわゆるヤバイ顔を思い出した実篤だ。
(俺、いま絶対アレと同じ顔になっちょる!)
現に、いつだったかくるみと話している姿を見かけた経理の野田千春から、「社長凄い不気味なんですけどっ!」と苦笑されたことがある。
正直周りにどう思われようが知ったこっちゃねぇわと思える実篤だが、その顔を常に見せられる羽目になっているであろうくるみちゃんがどう思っちょるんかな?というのは気になって仕方がない。
「あ、あのさ、くるみちゃん。――俺の顔……」
何気なく、やたらストレートに「俺の顔、怖くない?」とか問いかけそうになって、「いや他に言い方があるじゃろっ」と思って口を閉ざした実篤だったが、くるみはキョトンとそんな実篤を見つめて――。
「もしかして……まぁ〜た俺の顔、怖いかも知れん!とか何とか気にしていらっしゃるんですか?」
と怒った顔をされる。
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