12-3.キミの大事なモノを守りたい

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「お洗濯をしてもろぉーたり、家ん中を綺麗にお掃除してもろぉーたり……。うちが今まで一人でやりよったこと、実篤(さねあつ)さんがアレコレ肩代わりしてくれるけん、一人で暮らしよった頃よりめっちゃ楽さしてもろうちょるって感じちょります」  そのおかげで空いた時間が出来て、自分たちのために余分に一斤(いっきん)食パンを焼くことが出来るようになったし、何なら今日みたいに実篤と自分のお弁当を用意するゆとりも出来た。 「いつもうちのことを気遣ってくれて、有難う。実篤さんのお嫁さんになれて、うちは本当(ほん)に幸せ(もん)です」  すぐ間近。  自分に抱き付いた状態で見上げてくる凶悪に愛らしい妻の言葉を聞いて、実篤は心の中にわだかまっていた後ろめたさのようなものがスーッと消えていく気がした。 「くるみちゃん、俺、少しは(ちったぁ)くるみちゃんの役に立てちょる? キミの負担を減らせちょるって自惚(うぬぼ)れてもええ?」 「少しどころか凄く(ぶぅ~ち)! 助けられちょりますし、負担減らしまくってもろうちょります! ふんぞり返るくらい自惚れまくってください」  ゴミの日に、外のゴミ箱へ溜まった臭いゴミを袋ごと取り出して、綺麗に束ねてからゴミ箱へ新しいゴミ袋を掛け替えてくれるのも実篤だし、それで出来上がったゴミ入りの重い袋を家から少し離れたごみ収集場所まで運んでくれているのだって実篤なのだ。  実篤は気付いていないけれど、くるみの言う通り。  各々が、各自今まで一人でやっていたことを二人で分担し合う生活は、負担を軽くすることはあっても増やすことなんてあり得ない。
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