898人が本棚に入れています
本棚に追加
/470ページ
(いやいやいや、そんなわけなかろーよ!?)
心の中では盛大に全否定している実篤だったけど、くるみが物凄く可愛らしい顔で自分を見上げてくるせいで、やたら照れ臭くて声が出せない。
それを肯定と判断したらしいくるみに、
「もぉ〜! 真っ赤になってからに、可愛いーんじゃけぇ!」
クスクス笑われて、実篤は内心タジタジだ。
「そー言うトコは確かに乙女チックじゃけど……うちには実篤さん、カッコイイ男性にしか見えちょらんですけぇね? 安心して下さい」
(いや、安心してくれ言われても……)
もとより自分は怖い顔の男にしか見えないと自覚しまくっている実篤だ。
何故そうなった?という斜め上の持論を展開して慰められても困る。
しかも――。
(くるみちゃん、いま俺のことカッコええとか言ーてくれんかった?)
社交辞令だとしても照れるではないか。
それに――。
(男として認識してくれちょるなら何で夜に俺のこと自宅に呼べたんじゃろ? それじゃったら普通、くるみちゃん的に全然安心できる要素ない思うんじゃけど)
最初のコメントを投稿しよう!