3.月が綺麗ですね

18/28

898人が本棚に入れています
本棚に追加
/470ページ
 くるみに、自分は彼女に対して性的興奮を覚えない無害な男とでも思われちょるんじゃろうか?と考えたら何気に複雑な心地がした実篤(さねあつ)だ。 (どうやったら、自分は他の誰よりも隙あらば彼女のことをどうこうしてやりたいと思うちょるなんかを分からせてやることが出来るじゃろうか?)  気が付いたら、そんなアホなことを真剣に考えてしまっていた。  だって悔しいじゃないか。  こんなにくるみのことが好きなのに、そう言う風に思われていないと言うのは――。  だけどそれと同じぐらい、ふたりきりで彼女の自宅にいる現状で、それに気付かせてくるみを怖がらせるような愚かな真似はしたくないとも思ってしまって。 (何じゃこれ。物凄(ものすげ)ぇジレンマなんじゃけど)  考えれば考えるほど頭を抱えたくなった実篤(さねあつ)だ。 「――実篤(さねあつ)さん、さっきから黙り込んで。どうなさいましたか(しちゃったんですか)?」  実篤(さねあつ)の心の葛藤(かっとう)を知ってか知らずか、当のくるみは呆気らかんとしたもので。 --------------------- 【お知らせ】 三五さん(https://estar.jp/users/348342126)にFAを頂きました! 可愛いくるみを見に来てね(*´꒳`*) https://estar.jp/novels/25826983/viewer?page=496 ---------------------
/470ページ

最初のコメントを投稿しよう!

898人が本棚に入れています
本棚に追加