898人が本棚に入れています
本棚に追加
/470ページ
「ごめん! けど……俺、見とるつもりはないんよ? その……珍しいもんが多いけぇ勝手に目に入ってくるだけで」
慌てる実篤に、くるみがプゥ〜ッと頬を膨らませてから、
「それじゃあ、目ぇつぶっちょってください。うちが誘導しますけぇ」
言うなり、いきなりくるみに手を握られてしまったから堪らない。
当然のように実篤の心臓はドキン!と大きく跳ね上がった。
(ちょっ、くるみちゃん、マジでやめてーっ! 心臓が持たん!)
恥ずかしいくらい顔がブワリと熱くなったのを感じながらくるみを見つめたら、彼女も耳まで真っ赤にしていて。
どうやらここを第三者に見られてしまうことは、くるみにとって実篤の手を握る以上に恥ずかしいことらしい。
(台所事情に負ける俺って……)
もういっそ開き直って、自分の手を引くくるみの小さな手を思うさまギュッと握り返してやろうかと思ってしまった実篤だ。
(もぉ、どうなっても知らん!)
そっと指を絡めるようにくるみの手を握り返したら、彼女がピクッと反応して。
途端、実篤は自分がやったことがやたらと恥ずかしくなってしまった。
でも一度絡めてしまった指を、今更外すのは意識しているっぽくて余計に出来ないではないか。
------------------------------------------
------------------------------------------
【お知らせ】
『こんまち』https://estar.jp/novels/25858622
連載開始しました。
【ヤンデレDV夫×従順妻×溺愛幼馴染みの略奪愛】ものです。
もしよろしければ(*´꒳`*)
![91f25053-521d-4d16-9692-ecaa38679eed](https://img.estar.jp/public/user_upload/91f25053-521d-4d16-9692-ecaa38679eed.jpg?width=800&format=jpg)
最初のコメントを投稿しよう!