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「わっ、社長、すみませんっ! 俺、つい本音がっ」
無言で宇佐川を睨んではみたものの、内心はほくほくの実篤は、「まぁ、宇佐川の気持ちも分からんではないし、別にええんじゃけどね」と寛容なことを言ってみる。
なのに。
「ヒッ!」
どうやら実篤、我知らず口元が緩んでしまっていたらしい。
「おっ、俺っ、営業行ってきます!」
小さく短い悲鳴を上げて宇佐川が慌てたように事務所を後にすると、野田が「社長、ココんところがヘラッとなって、気持ち悪いお顔になっちょりますよ?」と、自分の口角あたりを指差して苦笑した。
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