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そんな野田と実篤の前に、満を持したみたいに出てきた田岡が、
「ほら、社長。脱いじょる暇なんかないですよ。寧ろこのモフモフのおっきな耳と……このゴワゴワの毛深い爪付きグローブも装着せんと!」
それらはギリギリでいいだろうと思って机の上に置いたままにしていたオプション品たちだ。
いま、思いっきりくどいくらいの説明付きで手にしたオプション品を紹介したん、絶対わざとじゃろ?と思った実篤だ。
「早よぉーせんと愛しの木下さんが来ちゃいますよぉ〜? ね〜、野田さん!」
クスクス笑いながら実篤にモフモフたちを押し付けてくる田岡を援護するように、野田が「そうそう!」と言いながら背中を後ろからグイグイ押して逃げ場をなくしてくる。
(ちょっ、何でこの二人がこんなにノリノリなんっ!?)
実篤の、声にならない抗議の叫びもどこ吹く風。
二人の女性従業員にフルスロットルでいじられまくりの実篤は、今現在ダークグレイの毛並みに覆われた、モフモフの長袖着ぐるみ?に身を包んでいる。
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