4-1.ハッピーハロウィン!―前編―

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***  着替える際に机上に投げておいた携帯電話が着信を知らせて、実篤(さねあつ)はそれに出ようとして――。 「あー、クソッ! 手袋!」  田岡らに半ば無理矢理はめさせられた爪付きグローブが邪魔で通話ボタンをうまくタップ出来なくて焦ってしまう。  仕方なく、口で(くわ)えて引きむしるようにして手袋を外したら、田岡が「きゃー、社長、ワイルドぉ〜!」と叫んで。  すかさず野田が「さすが狼男です!」と訳のわからない合いの手を入れる。  営業マンの男性二人は、定時を過ぎると同時に早々に「お先に失礼します」と事務所を後にしたというのに、どうして女性陣二人は帰ってくれんのんじゃろうか、と思わず溜め息の実篤(さねあつ)だ。  クリノ不動産。  ホワイト企業なので基本残業はしなくてもいいように仕事量を配分しているはずなのに。  田岡と野田が、きっと面白がるために残っているのは分かっている実篤(さねあつ)だったが、このふたり、示し合わせたようにタイムカード自体は定時とともにキッチリ打刻してくれているから、なかなか強く「帰りなさい」と言えなくて弱っている。 --------------------- このページにお休みの旨を記載していたら、たくさんの涙マークと温かいコメントなどをいただきました。 本当に有難うございました。 (皆様からの温かい反応の数々消したくないって思ってそのままこのページを利用してお話をすすめることにしちゃいました。←新着通知行くのかなと不安に思いつつ💧) いつもたくさんの反応(ごほうび)を有難うございます。 皆さんのお陰で書く力をいただいています。 ---------------------
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