4-1.ハッピーハロウィン!―前編―

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 時刻は十八(ろく)時半。  クリノ不動産の営業時間は午前十時から午後十八(ろく)時なので、確かに実篤(さねあつ)、就労時間を終えてほんの三十分あまり待たされたことになる。  だが、そんなの待ったうちには入らんじゃろ?と思った実篤(さねあつ)だ。  確かに女性陣に揶揄(からか)われて、「くるみちゃん()よぉ来て!」と思いはしたけれど、それとこれとは別の話だと切り離して考えられる程度には大人なつもりだ。  聞けばくるみ、配達(しごと)自体は十四()時までには(パンが完売する形で)終わっていたらしいのだが、今日はその後、家の近くの畑で季節のパンに入れるサツマイモを掘らせてもらっていたらしい。  可愛い彼女から『掘ったイモの保管やら、泥だらけになった身体なんかをシャワーで清めたりしよったら、結構時間が経っちょって』と聞かされたら、年上の彼氏としては泣き言をこぼすなんて出来るわけないじゃないか。 『ホンマはうち、十八(ろく)時までには実篤(さねあつ)さんの所に来させてもろうちょくつもりじゃったのに。こっちから誘うちょって、ホントにごめんなさいっ』  電話口、ガサッという音が聞こえて、どうやらくるみが頭を下げたらしいことが分かった。
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