4-1.ハッピーハロウィン!―前編―

17/19

898人が本棚に入れています
本棚に追加
/470ページ
(ひょっとしてくるみちゃんが期待しちょったほど俺の格好が似合(にお)うちょらんかったとか……?)  それでガッカリさせてしまったんだろうか?  いつものくるみなら黄色い声をあげて「きゃー! 実篤(さねあつ)さんっ!」となりそうだよな?と思ったら、段々不安になってくる。 「ほらっ! 遅くなっちゃいましたし、急ぎますよ?」  ソワソワする実篤(さねあつ)をよそに、くるみが実篤(さねあつ)の手をギュッと握って顔を見上げてきて。  不覚にもその可愛さにドキッとしてしまう。  くるみに「ほらほら」と()かされながら、(急がんといけんって……。何か時間に制限でもあるんじゃろうか?)と考えて、自分は何一つ今日の計画について知らされていないことに思い至った実篤(さねあつ)だ。   「あ、あのっ、くるみちゃん、今日って――」  ――(なん)をする予定なん?と続けようとしたけれど、「話は後です。車、行きますよ?」と素っ気なく(さえぎ)られてしまった。
/470ページ

最初のコメントを投稿しよう!

898人が本棚に入れています
本棚に追加