4-1.ハッピーハロウィン!―前編―

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「謝らんで? 俺も焦って(つよ)ぉ、言い過ぎた。――ごめん」  そんなやり取りをする二人を見て、野田が、「私らぁーが遅ぉまで残っちょったけ、ふたりに要らん気ぃ遣わせましたね」と言って、それに追従するように田岡も「ごめんなさい」と謝ってくれて。 「いや、そっちも謝らんで? ぶっちゃけ俺も一人でおるより気ぃ紛れたし」  と思わず(ねぎら)ってしまった実篤(さねあつ)だ。 「もぉー! 社長のそういうところっ!」  途端、野田がビシッと自分を指差してきたから、実篤(さねあつ)は何事かとびっくりしてしまった。 「そう言うのが私ら従業員を付け上がらせて揶揄(からか)われる原因になっちょるんですけぇね!? 自覚して下さい!」  言ってから、「けど――」と少し語気を緩める。 「けど――、社長の優しいところ、嫌いじゃないです」  田岡と顔を見合わせてクスクス笑い合う姿に、「顔に似合わずは余計じゃけぇ!」と、思わず突っ込まずにはいられなかった実篤(さねあつ)だった。
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