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「・・・・寝ながらムフムフ、ニタニタ笑ってるのって不気味すぎて怖い」
なんてぼやきながらもルーカスは邪険にすることなくスタッドが起きるまで暇を持て余す。あまりにも暇なので、スタッドの髪を手で梳いてみる。意外にもサラサラとした指通りに、自然と口の端が緩んでいく。
「スー」
スタッドの髪を指先で弄びながら、彼の名前を呟く。自分を呼ぶ声に反応したのか、指先がピクリと反応する。しかし、起きる気配はない。
優しい風が二人の身体を撫で去っていく。
「本でもあればよかったな」
スタッドが本格的に寝入った今、ルーカスは本当にやることがなくなってしまった。
いつになく透き通っている空を見上げ目を閉じる。
新緑が芽を出し、若葉が生い茂る季節が近づいている。
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