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末娘の苦悩
自分は必要とされていないのではないか、いらないのではないかと思ったことはありませんか? かく言う私も……でございます。
さて、ひとつお話をいたしましょう。今よりも少しだけ昔の物語でございます。
その娘は、七人兄弟の末っ子でした。その当時は皆貧乏で、義務教育を終了するとすぐに働きに出たり家業を手伝ったりしていたそうです。
娘の家はというと、父親は自営業、母親は畑の仕事などをしておりとても忙しかったので、末娘の面倒は兄達が見ていました。
思春期になると、末娘は悪さを覚えます。兄のタバコを吸ったり夜遊びをしたり。
彼女なりに寂しかったのかもしれません。兄ではなく、両親に叱ってもらいたかったのかもしれません。
娘はさまざまな悪さをしますが、すぐに見つかります。見つかっては兄達に叱られ、時には手を上げられても、彼女は悪さをやめませんでした。
両親に叱ってほしかったのでしょう。両親に気付いてほしかったのでしょう。すぐに見つかったのは、すぐに見つけてほしかったからなのでしょう。
そんなある日、末娘に異変が起きました。どんな心境の変化があったのか、私は詳しくは聞けませんでした。そして、どんな方法かも彼女は教えてくれませんでした。ただ、
彼女は自ら命を絶とうとしてしまったそうです。
末娘が気付いた時にはもう病院にいて、両親がベッドのそばで心配そうに彼女を見ていたそうです。
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