神様のお願い

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「つまり…という訳か」 「ね…信じれないけど…」  さて、ようやく頭の整理が出来た私達。 「そうだ!この前着ていた浴衣とお面を貸して下さい!」  私達が理解した事を感じ取ったネルが言った。 「いいけど…アリアのは家にあるんじゃない?」 「うん」  どうするのか、とネルに顔を向ける。 「じゃ、私が取ってきまーす!十秒程お待ち下さーい!」  言うが早いか、一瞬で消えたネル。  そして、本当にきっかり十秒後。 「取ってきましたよ!さあ、好美さんのも出して!」  アリアの浴衣とお面を持って、突然部屋に現れた。  さすが神の使いだね…。  私はもう驚きを通り越して呆れながらもクローゼットから二つを出す私。 「よし!じゃあ、加護をかけますよ〜!『神の名におき、この物らに加護を与えよ』でっきまっした〜」  ネルが呪文らしきものを唱えると、途端に私達の浴衣とお面が純白の光に包まれた。  光が止んだころには、あら?浴衣がない? 「これで、このお面をつけると、同時にさっきの浴衣も着れます!つまり、着替える時間短縮!ほら、やってみて下さい!」  そう言われて、恐る恐るお面をつける私とアリア。  すると。  ボンッ  お面をつけた途端、私達は煙に包まれ、気づいた頃には、浴衣を身に着けていた。纏っている雰囲気も心なしか神々しくなっている気が…。 「ワオ!アンビリバボー!」  はしゃぐアリア。 「お面を外すと、着ている服も元に戻りますよ〜」  そう言われてお面を外すと、また煙が出て、服も元に戻っていた。 「さあ、これでプレゼントは全部です!くれぐれも悪用はしないで下さいね!それでは、これから神の使い探偵として、頑張って下さい!解決して欲しい事件があったら、その鞄の中に手紙を送りまーす!」 「りょ、了解です?」 「はあい」  勢いに押されて了承すると、ネルは安心したように笑った。フクロウが笑うって不思議。 「よかったでーす!それでは、また会う日まで〜!」  そして、この言葉を残して窓から飛び立っていった。 「なんか、嵐のようなフクロウだったね…」 「イエス…」  私とアリアはしばらく呆然とネルの飛んでいった方向を眺めていた。
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