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驚く二人に、菜月は勝気に笑いかけてきた。
「妹の結婚写真だよ。私たちが来ないでどうするの?」
「私、たち?」
正人の疑問に、菜月は当たり前のように答えた。
「兄さん二人も一緒に決まってるでしょ」
「ああ……」
正人は思わず額に手を当てて天井を見上げてしまった。菜月の後ろから、英明と直樹が笑顔で現れたからだ。
「萌香が菜月に連絡してきたから、直樹を誘ったんだ」
面白そうに笑う英明とは違って、直樹は優しい表情で萌香を見た。
「萌ちゃん、すごく綺麗だよ。
好きな人とする結婚なんだから、もっと自信を持っていいんだよ」
直樹の言葉に、誰も何も言えなかった。
専務だった頃の尾本支社長は、野心的で娘に甘い男性だったのだろう。
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