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自分の利益と娘の幸せ。
両方を手に入れようとして、結局どちらも得ることはなかった。そして、直樹は会社を去ることになった。
そんな経験をした直樹は、結婚に対して複雑な感情があるはずだ。
だが、妹のように可愛がっている萌香の幸せを喜ぶ彼を見ると、見学くらい大丈夫と思えてくる。
感慨にふける父親とは違って、晴斗は無邪気に菜月に歩み寄っている。
歩き始めた息子は可愛いが目離しできない。菜月は、晴斗がよく知る大人だから懐いているのだろう。
「あ~可愛いね、伯母さんのところにすぐ来るんだから。
ママ、綺麗だよね。将来、伯母さんと結婚しようか。晴斗の横でドレス着たいな」
それは遠慮してほしい。
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