4. 哀しみの再会

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〜ロシア〜 サンクトペテルブルク、プルコヴォ空港。 ティークとヴェロニカが着いた。 既に空港は閉鎖され、明かりも少ない。 車を降りる2人。 (なんだ…) と感じた瞬間。 眩しい照明が一斉に照らされた。 「クッ!」 「無駄な抵抗はおやめください」 「ベルシス!どうゆうことですか⁉️」 「先ほど軍から連絡がありました。そちらのティークという者が、屋敷を破壊し、ヴェロニカ様を拉致したと。さあ、ヴェロニカ様を解放しなさい」 警察に完全包囲され、銃口がティークを狙う。 「ハメられたな」 「ベルシス!彼は味方よ!襲ったのは…」 咄嗟にティークが口を塞いだ。 「無駄だ、仕方ない。許せ」 素早く銃を抜き、ヴェロニカの喉元にあてる。 「動くな!動いたら殺す」 警察に動揺が走る。 「銃を捨てなさい、逃げられはしない」 ベルシスも必死であった。 「バン❗️」 ティークが空へ1発放ち威嚇(いかく)する。 「ヴェニー、お前は安全だ。必ず迎えに来る」 ヴェロニカも悟った。 自分を連れては、逃げられない。 スパイアイで機体の位置を把握した。 「必ず迎えにくるからな」 「キュイン」 加速装置を起動。 「バンバン、バン、バン、バン!」 警察の足元へ2発威嚇し、照明を撃ち抜く。 「シュン!」 軽々とフェンスを飛び越え、闇の中へ走る。 「パンパンパン、パンパン」 警察が乱射するが、当たるわけはない。 「オートモード起動、掃射!」 リモートで機体を動かす。 「ガガガガガ!」 機銃が格納庫のシャッターを粉砕した。 「オープン、垂直上昇起動、前へ15」 期待が格納庫から出て来た。 主翼が広がりファンが回転を始める。 ハッチが開く。 「Не отпускай!」 (逃がすな!) 「Схватка!」 (緊急発進!) 空港に常備されている軍用ジェットが2機、スクランブルの準備に入った。 走り出した機体にティークが跳び乗る。 「オートモード解除、クソッ❗️」 ハイパワーモードスイッチを押す。 コスモジェットの白煙が噴き出し、強烈なGに体がきしむ。 「グッ」 フェンスが迫る。 加速しながら、垂直上昇スイッチを入れた。 「クッ❗️」 真下へのGが加わる。 強靭な肉体がその加速度に耐える。 そのまま一気に13000mまで上昇していく。 追尾するジェット機がスクランブルした。 しかし、彼らの機体では、10000mが限界であり、追跡は不可能である。 「アイ、こちらティーク、ラブはどうした?」 「ティーク、ラブは今緊急回復処置中だ!」 「なに⁉️何があった?」 「一時的な精神障害らしい、そっちこそどうしたんだティーク?」 「ハメられた。ヴェロニカはまだロシアだ」 (クソッ!) 「ヴェロニカ様、どうぞこちらへ。とんだ災難でございましたね」 「Ребята, если вы превратите ее во врага, вы пожалеете об этом❗️」 (ラブを敵に回したら後悔するわよ❗️) 「そのラブさんとは、連絡がとれません」 「えっ⁉️」 ラブのアクシデントに、ティークまで。 不穏な気配が漂い始めていた。
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