1. 終焉の始まり

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〜東京お台場〜 TERRA《テラ》コーポレーションの高層ビルに隣接したホール。 普段はコンサートホールとしての利用が主であるが、映画撮影用の大スタジオにも変わる。 丁度今夜からの新番組が始まるところ。 ざわついていたスタジオ内が静まり、カウントダウンの表示が進む。 19:00 オープニングミュージックが流れる。 「真スターチャレンジ・マッチ〜🎉✨」 ド派手で華やかな演出に、客席から盛大な拍手が響き渡る。 「皆さんこんばんは、この番組のMCを務めます、山本リサです」 「アシスタントの風見鳥です〜」 ベテランアナウンサーの山本と、人気ピン芸人の進行で始まった。 「なんとこの番組は、各界の方々が、本物の色々なスターにチャレンジする、という真・番組なんです」 「リサさん、タイトルの(まこと)に、うまくかけ合わせましたね〜さすが❗️」 「分かりましたか?」 「分かるか〜ッ❗️読まない限り誰が分かるんですかって!」 「ですよね💦でもそのタイトル通り、真剣勝負なんですよ」 「ガチなんですね、ガチ!」 「本日は、記念すべき第一回目と言うことで、あの方に挑戦して貰います」 「えぇ〜⁉️って、なる方ですよね、リサさん。ここで芸人…なんてなしですからね!」 「………」 「あらら?リサさん、沈黙のMC!なんてシリーズになりませんよ💦」 「大丈夫❗️では、皆さんお待たせしました。本日の挑戦者!トーイ・ラブさんで〜す❣️」 ラブの新曲が流れる中、煙幕からラブ登場! 歓声と拍手で会場が盛り上がる。 「お邪魔しま〜す、ラブです」 「いらっしゃいませ〜。よくオファー受けてくださいました」 「いえいえ第一回目なんて、光栄です」 山本には、大きな借りがあった。 「ところでところで、早速ですがぁ、今日は何に挑戦するか、お分かりになりますか?」 「えっ?何でしょう?バンジーとか?」 「できるかァアアア❗️、地面掘りながら落ちてかなアカンやろ!」 「そんなバンジーあるんですかッ⁉️」 「ないわァアアア❗️」 風見鳥テンションMAXである。 「あっ、分かったかも!」 「野球⚾️ですか?」 「凄い!さすがラブさん勘が鋭い!」 リサの演技もなかなかである。 「どこがやねん❗️グローブはめて、野球帽被ってはるやん❗️」 「あ、ホンマや❗️」 会場が爆笑に沸く。 「ラブさん、そんなん要らんから💦大阪弁なってるし」 「すみません、変に付き合わせちゃって」 「アンタやろ!振ったの❗️」 「しかし、大道具さん頑張りましたね〜」 「切り替え早っ!💦」 「昨日の夜は、私ここでライブやってたんですよ。それが、球場みたいになっちゃって」 「はい。私もここまでやるか?って、逆にプレッシャーです」 「ですよね〜」 「ラブさんは、野球のご経験は?」 「無いですけど…投げるのは得意です、ダーツとかフリスビーとか、ナイフとか、手榴弾とか…」 「待てェエエー❗️、方向見失ってますやん。だいたい、シラーっと古田捕手が構えてはるし💧」 ホームベースを前に、シラーっと座っていた。 「あ、忘れてました。今日の為に、名球会から古田さんに来てもらいました〜」 「忘れてた言うな〜❗️帰ってまうで、ホンマ」 「ということで、ラブさんにはピッチャーとして、現役のプロ野球選手の方々と勝負してもらいま〜す。皆さんどうぞ!」 長い前振りではあったが、会場は盛り上がり、現役の強打者が5人気揃ったのである。
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