2. 深まる謎

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〜東京駅〜 深夜だというのに、大勢の人が集まり、職員や警備員、警察官が対応に追われていた。 「新幹線に乗ったきり、娘がまだ帰って来ないんです!」 「なんか事故でもあったんだろう❗️ちゃんと説明しろっ❗️」 不満と不安の声が重なって騒ぎになっている。 そんな中、ラブの車が停まった。 (ラブさん、こっちこっち) ラブの頭に、『声』が届いた。 ((すばる)さん、何があったの?) 神崎昴。 殺人鬼に刺され、一度命を落としたが、ラブが自ら血を輸血し、生き返らせた刑事である。 その結果、ラブの持つ特殊能力を幾つか受け継いでいた。 社員専用の入り口に、昴がいた。 車を降りて中へ入る。 「あの人達はどうしたの?」 「僕もまだ着いたばかりで、説明するより見てもらった方が早いと思います」 整備用の車庫に、切り離された車両が一両。 鑑識班が何人か作業をしていた。 「ラブさん、深夜にすみません」 呼び出した紗夜の心から、事の深刻さが伝わって来た。 「あ、ラブさん。いらっしゃい」 ベテラン刑事の鳳来咲である。 「咲さんまで、ご苦労様です」 「ホントよ、全く。寝ようとしてたら、これなんだから、寝不足はお肌に悪いのよね〜」 愚痴りながらも、シッカリ化粧し、いつものミニスカ&ハイヒールで駆け付けたところは、さすがだと思った。 「とにかく、見てください」 紗夜が促し、車両へと入る。 「これは!」 一瞬は、映画やドラマのセットかと錯覚した。 が、次の瞬間に浮かんだのは、ペルーの事件である。 「信じられませんが、この車両だけ、皆んな消えてしまった様なんです」 「昴さん、では表の人達は…」 「この車両で東京に着くはずだった人達の、家族や関係者の皆さんです」 対応に困るのも当然である。 「まさか、消えました!なんて言えないわよね〜JRさんお気の毒様」 「咲さん、ひと事じゃないですよ、次の矛先(ほこさき)は警察なんですから💦」 「だよな、全く。朝には記者会見となるだろうが、どうします、咲さん?」 欠伸(あくび)を堪えながら、お手上げ状態の淳一。 「いや〜本っとに参ったぜ」 「豊川さん」 「おっ、ラブさん来てくれたのか。とりあえず、血痕は見当たらず、傷害の事件性はないが…こんな不可思議な事態に、怪しい痕跡が何もねぇってのは、逆に怪しいよな」 「今のところ、新横浜駅の監視カメラ映像では、満席に近い状況であったことを確認できてんだけどね〜」 「咲さん、TERRAも捜査に協力します。昴さんに手伝って貰ってもいいですか?」 「そうね、警察との仲持ちも必要だから、昴、ラブさんと捜査して」 「分かりました。よろしくお願いします。」 ラブの意図は、既に昴に伝わっていた。 こうして、再び警察とTERRAの合同捜査が始まったのであった。
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