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リモート飲み会が始まってすぐ、私は夫の不倫疑いの件を話した。友人達は私に同情してくれた。
「え〜それ絶対不倫してるじゃん…。男ってほんと嫌ね。うちも結婚相手間違えた〜
「本当にね。結婚するの怖くなるわ〜」
「有紀乃、慰謝料たんまり貰わないとだめだよ。」
みんな私の味方のようで、少しだけ気が楽になった。リモート飲み会は3時間ほどで終わり、それから少しして夫が帰ってきた。
「ただいま。」
「おかえりなさい。お疲れ様。」
「うん。ありがとう。」
「今週も残業が多くて疲れたでしょう?」
「そうだね。だけど有紀乃の顔を見たら少し元気が出たよ。」
「あら、結婚4年目でもそんな言葉が聞けるなんて。この後どう?ベッドで。」
「いや、ごめん。明日も仕事が忙しいから…」
「いつもそうじゃない。」
「本当にごめん。」
やっぱり夜の関係は拒まれた。不倫はほぼ確定と言われてなお、少し期待してしまう私がいた。そこから中山さんの調査結果を聞くまでの1週間、私は生きた心地がしなかった。
そして中山さんの調査結果を聞く日。私は指定された時間ちょうどに事務所へ足を運んだ。
「門岡さん。ご足労ありがとうございます。早速ですが、心の準備はよろしいですか?」
「はい。まず結論からお願いします。」
「わかりました。結論から言うと、ご主人は不倫をしていました。」
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