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頭ではわかっていたはずだが、目の前が真っ暗になった。覚悟をしていたにも関わらずこうなるのか。中山さんも私の気持ちを察したのか、少しだけ間を置いてくれた。
「…大丈夫ですか?門岡さん。」
「…はい。大丈夫。すみません、少し動揺してしまって。」
「そうでしょう。ご主人の不倫の件ですが、調査を依頼された当日、そして昨日の2回に渡り同じ相手とホテルに行っていました。入る時と出る時、計4枚の写真を撮ってます。更にお相手のことを調べました。ご主人が1年前にブース営業をしていたショッピングモールの職員です。」
「そうですか。一旦その写真を見せていただけますか?」
「勿論です。しかし、見る前にもう一度心の準備をし直した方がいいと思います。」
「…?」
不倫がわかっているのにどうして今更そんな事を言うのか、わからなかった。一応数秒感深呼吸をして呼吸を落ち着かせた。
「もう大丈夫です。写真を見せてください。」
「…わかりました。こちらが1週間前、ホテルに入るご主人です。」
私はその写真を見て目を丸くした。再度準備をした心でも受け入れられないくらい、驚いた。いや、驚いたという表現が合っているのかわからない。とりあえずかなり心が動いた。
夫の隣に写っているのが男だったからだ。
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