次の日の出来事!

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 ちゅっと強く吸われる感覚で、皮膚の上にある佐々木先輩の唇をまざまざと感じてしまい、掴まれている腕全部が熱くなってしまった。 「松尾が好きだよっていう意味だから、それ。不安になったら触れるなり舐めるなり、好きにしてくれ」 「舐めるなんてしませんよ!」  やんわり返された右手を左手で握りしめながら、視線を右往左往して、思いっきり狼狽えた。今までこんな場所にキスをされたことがないため、どんな顔していいのかわからない。 「私からは、なにもしませんからね……」  しっかりつけられたキスマークに戸惑いを隠すなんて芸当は、私には高等すぎてできるわけもなく、ただただ佐々木先輩を見上げて文句を言うのが精一杯だった。 「先に戻ってる。顔の赤みが落ち着いたと思ったら戻ってこい」  踵を返して右手を力なく振って出て行く大きな背中を、複雑な心境で見送った。  なんていうか、あっさりしすぎてるなって思ったから。それまで後ろから抱きしめられたり、結構ベタベタしていた名残もあって、ちょっとだけ寂しさを感じてしまう。 「これが好きのしるし……」  佐々木先輩につけられた横長のキスマークを、ドキドキしながら眺めてみる。  こんな特殊な場所につけるなんて、ほかにも意味がありそうだと思い、スカートのポケットに忍ばせていたスマホで『手首にキスの意味』で検索してみた。 【「手首」にキスする意味は「欲望」の表れを示すと言われてます。手首へのキスは満たされない欲望を意味するキスであるからこそ、女性は彼が自分に何を求めているのかを考えさせられるキスでもあると言えるでしょう】 「ちょっと待って。満たされない欲望って、いったい⁉︎ 佐々木先輩ってば、あんな顔して結構エロ……」  好き以上に求められる佐々木先輩からの感情を知ってしまい、体の隅々まで熱を持った。  ちなみに頬のキスは、彼女を愛する気持ちと親しみだけではなく、相手の気持ちにも配慮して向き合っている男性心理を示す、本気度の高いキスなんだって。 「佐々木先輩の本気、いろんな意味でおそるべし……」
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