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②-3
「私の授業をもっとたくさん増やして魔術を身につけていれば対抗できたでしょう。国王にかけたものも王子と君にかけたものも、初歩の解除の魔術で解けるようにしてありますから。
私の魔術の授業を軽んじた報いですね、ふふふ!
結婚したらあの小娘を口説きたくなる忌々しい呪いも解けたし、れいなのおかげで私は幸せです」
「ジュリオ氏……」
ジュリオにぎゅっと抱きしめられて、さりげなくかついやらしく、胸をまさぐりだす。
おい待て! めでたしめでたしじゃない! アクセル君いるよ!
ぺちっと手の甲を叩いてやる。
「呪いって……!? いや、まずはムカデだ! 俺は、ムカデは先生の魔術のせいだと思って、解いてもらおうと先生の部屋に行ったんだよ。そしたら先生いなくて……あーその、部屋に勝手に入りました。そしたら鏡の中に、ムカデが見えない女の顔が見えて! それでつい手を伸ばしたら、なんか、ここに、いて……先生の奥さん、いきなりおっぱい触って、すいませんでした!」
アクセル君はがばっと頭を下げた。
さすが乙女ゲームの攻略対象、いい子だ。
「おんなだ!」はあんなセリフが出るほど追い詰められたのだろう……ジュリオ氏に……。
アクセル君は浅黒い肌だから目立たないが、よく見ると目の下にはくまが出来ていた。
女を見ればムカデが這っている。そりゃおそろしい。
そりゃあみなさんの瞳のハイライトも減るだろう。
「先生お願いだ! 魔術を解いてくれ! 俺、そんなにムカデ怖くなかったけどさ、それでも嫌なんだよ。母上の顔もムカデでまともに見られない。王子たちはムカデ苦手だから、もっとつらいと思うんだ。お願いだよ」
「お断りです」
ジュリオ氏、即答ー!
解除しようよ、話を聞く限り王子たちなんにも悪くなかったよね?!
「おまえ、妻をいやらしい目で見ているだろう。許せん。おまえの願いなどきかん」
ジュリオ氏の丁寧なお言葉が乱れている……。
これはめちゃくちゃ怒っている、のだろうか?
ぜんぜんいやらしい目で見られてなんて……
ちらりとアクセル君に目をやると、浅黒い肌でわかりにくいが、顔が赤くなっている。
そんで……エッ……ズボンの上からわかるくらいめちゃくちゃ勃っている……。
「だって、俺、おっぱい初めて触ったんだよ! しかも奥さん、すげぇ美人だし! こんな、ちんこおさまらないのも初めてで俺、どうしたらいいのか」
「えっ?! お、おいアクセル君や、私美人の部類ではないのだけど」
「えっすげぇ美人だよ! ムカデいないし、おっぱいもすげぇ大きくて、ムカデいないし……。うちの国、おっぱいないのがいい女って風潮だけど俺おっぱい大好き」
玲奈はどちらかというとかわいい系だと自認している。日本人にしても彫りが浅く、垂れ目だ。
美人というならジュリオ氏だ。攻略対象の中でも断トツ美しいジュリオ氏と比較されたらかわいい系と名乗ることすらおこがましい。
そんな私が、ムカデが這っていないだけで、美人認定されている……!
玲奈は精神的にかなり弱っているのだろうアクセルがかわいそうになった。
「ジュリオ氏……」
魔術解いてあげて?
玲奈がジュリオを見上げると、美しく微笑んで軽く頷いた。
「アクセル・グランディス。魔術を解くか、妻にヌくのを手伝ってもらうか、どちらを望む」
なんでだよ!
「ヌいてください! お願いいたします!」
アクセル君は額を床に擦り付けて土下座した。
なんでだよ!!!
魔術を解いてもらいに来たんでしょうがぁぁぁ!!!
「そうか。……れいな、見せつけてやりましょう」
「えぇっ!? 待っ」
ばさりと毛布を剥がされ、思わず両手を交差させて胸元を隠した。
その隙にするりと下着とショートパンツを剥ぎ取られる。
「アクセル・グランディス。妻はここを舐められるのが好きなのだ。犬のように上手に舐めてご奉仕しろ」
ジュリオは抱えた玲奈の足を開き、アクセルに見せつけた。
「は! おまかせください!」
赤い髪が玲奈の足の間に飛び込んでくる。
犬って!
ぜったいジュリオ氏、君のこと馬鹿にしてるよ! 犬でいいの?! アクセル君!
つか大事な妻になにしてんだよ! ジュリオ・エンディミオン!!!
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