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⑶
あの日は、いつも興味が持てない俺自身を変えた日だった。
――1週間前―――‥
転校初日から追いかけ回されていて疲れていたし、何よりも面倒だった。だから、みんなを撒いて足早に自室の前に来た。とにかく早く休みたかったから同室者のこと忘れていて、ガチャっと素早く扉を開けてずかずかと中に入ってしまった。
「わっ!」
「っ‥‥‥!?」
部屋の中でびっくりしたような声がして見てみると俺とあまり変わらない長身な男がたっていた。見た目は平凡かな。
‥‥あ、同室者居たんだった‥
またなつかれると面倒だし、放っといても良いかな。
「あ、びっくりさせてごめんな‥。俺、佐久間弘道って言うんだ。よろしくね?」
「‥‥瀬田川」
「瀬田川ね。これから一年間よろしく~」
へらへらと佐久間が笑いながら手を俺の前に差し出してくる。全然嫌みが感じない‥。普通、へらへら笑われたらイラッとくるけど何故か癒されてる俺が居る。
なぜだ‥‥‥‥?
媚び売ってる様子もない。すごく興味がわいた
「‥‥‥よろしく」
そう言って俺は、佐久間の手を握って何年ぶりかの握手を交わした。
―――‥‥
あの日から、佐久間と何度も話しているが毎回興味がわいてくる。
全然媚びてこない佐久間、他のやつとは違うんだ。出来るなら、ずっと佐久間と居てくだらない話したい。生徒会なんてどうでもいいんだ。放って佐久間のところに戻って約束の手作り料理を食べたいが、絶対佐久間に迷惑かける。役員たちは佐久間を目の敵にしている。だから迂闊に動くことは難しい。
約束を守れなかった俺は、相当イライラしてたらしく役員たちの話は全部無視して夕飯を急いで食べていた。
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